音語り

この度、「音語り」では、大変ご活躍中のチェリスト懸田貴嗣さんを講師にお招きして、チェロの歴史をひもといていただきます。会場となる湯島のスタジオでは、小さくかわいらしい空間だからこそ、すぐそこで演奏される弦楽器の響きと、貴重なお話をご堪能いただけます。はじめての方もぜひいらしてください。


「チェロの誕生
~17世紀イタリア、ボローニャからナポリへ」

・日時
2015.7.17 金 19:00
2015.7.19 日 11:00
2015.7.23 木 19:00
※各日同じ内容です。

・参加費 3500円 (学生2000円)

・お申し込み:
7.17(金)コチラ
7.19(日)コチラ
7.23(木)コチラ

・お問い合わせ;コチラ

・場所
Studio Trianon
〒113-0034 文京区湯島2-14-3
(最寄駅:JR御茶ノ水、湯島駅、末広町駅、本郷三丁目)

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・講座内容

映画「おくりびと」で主人公が弾いていた楽器と言えば。映画のみならずドラマ、小説にと例を挙げれば枚挙にいとまがない、ヴァイオリンと並んで、ポピュラーな弦楽器「チェロ」。
私が東北の田舎町の高校生だった時分は、まだそれほど認知度が高くなかったせいか、町で指をさされ、「あれ、ドラムだっけ」と言われたこともありましたが、最近ではもうそのようなこともないでしょう。

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現代では一般的な認知度を高めてきた「チェロ」ではありますが、その楽器の起源はそれほど古くはなく、初めて「チェロ」(正式にはヴィオロンチェッロ)という言葉が使われたのは、350年前の1665年、バロック期のイタリア・ボローニャでした。それまで合奏を下から支える立場であった低音弦楽器はいくつかの種類がありましたが、そのうちのひとつであった「チェロ」は誕生後、瞬く間に独奏楽器としての地位を確立していきます。

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そのようなチェロの誕生の歴史、どのような時代に、どのような場所で、どのような理由で楽器が成立してきたかが語られることは現在ではほとんどありません。

近年再評価が始まってきたチェロの初期レパートリー(17~18世紀イタリアの作曲家コロンビ、ヴィターリ、ガブリエッリ、スプリアーニなど)を、当時のスタイルの楽器(バロック・チェロ)、当時の筆写譜資料によって時代の順を追って演奏しながら、現在まで音楽学研究が明らかにしてきた「チェロ」についての初期成立史(~1750年)についてのレクチャーをします。

目的は17世紀から18世紀にかけてのイタリア、『チェロの誕生』の追体験です。まさに歴史が動いた、貴重な音楽史の一場面に、ともに立ち会うことができれば幸いです。

●トピック
・チェロの前身は大型の低音弦楽器”ヴィオローネ”?
・なぜボローニャでチェロは誕生したのか?
・弦の製作方法の変化が「革命」を起こした
・最初の名人チェリスト ”ドメニコ・ガブリエッリ”とは
・ボローニャで学んだコレッリが後年作曲したヴァイオリン・ソナタ
・ナポリが生んだ伝説的名人”フランチスチェッロ”と”スプリアーニ”

●演奏でとりあげる作曲家(予定)
ジュゼッペ・コロンビ Giuseppe Colombi (1635-1694)
ジョバンニ・バッティスタ・ヴィターリ Giovanni Battista Vitali (1632-1692)
ジョバンニ・バッティスタ・デッリ・アントーニ Giovanni Battista Degli Antonii(1660-1696)
ドメニコ・ガブリエッリ Domenico Gabrielli (1659-1690)
アルカンジェロ・コレッリ Arcangelo Corelli (1653-1713)
フランチェスコ・スプリアーニ Francesco Supriani (1678-1753)
ジューリオ・ルーヴォ Giulio Ruvo (17c-18c )
エヴァリスト・フェリーチェ・ダッラーバコ Giuseppe Clemente Dall’Àbaco (1709-1805)
ヨハン・セバスチャン・バッハ Johann Sebastian Bach(1685-1750)

・講師

懸田 貴嗣(チェロ・語り)

東京芸術大学大学院修了後、ミラノ市立音楽院に学ぶ。チェロをガエタノ・ナジッロ、鈴木秀美の各氏に師事。伊ボンポルティ国際古楽コンクールで第1位受賞。ラ・ヴェネシアーナ、リクレアツィオン・ダルカディアのメンバーとして、国内・欧州各地の主要な音楽祭での演奏や録音活動を行っている。エンリコ・オノフリ、ロベルタ・マメリ等著名な演奏家との共演も数多い。CD「ランゼッティ/チェロ・ソナタ集」が文化庁芸術祭優秀賞を受賞。

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本郷幸子(ヴァイオリン)

東京藝術大学、ドイツ国立トロッシンゲン音楽大学を卒業。ドイツヘッセン州立ヴィースバーデン歌劇場オーケストラにて、3年半研鑽を積む。これまでに札幌 Pacific Music Festital(PMF)、ドイツ シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭、フランスナント市 ラ・フォル・ジュルネ音楽祭などに参加。現在は、上野学園大学ヴァイオリン科非常勤講師として後進の指導をしながら、横浜シンフォニエッタなどのアンサンブルを始め、幅広く演奏活動をしている。NOTH.JPでは、講座「音語り」を開催し、好評を博している。

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© Noriko Honjo

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音語り

音楽は予備知識がなくても楽しめてしまうのが魅力でもあり、素晴らしさでもありますが、この講座では、文字通り「音と語り」で、その世界をより深めて味わっていただけたらと思います。間近で聞く生の音色は一味も二味も違います!どうぞお楽しみください。

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音楽は音の織物。

その完成品を味わうだけでなく、その糸がどう紡がれたのかを紐解いて、共に学び、発見し、深める場をつくれたらと思い、音語りを始めました。「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに」という井上ひさしさんの言葉を胸に。音楽の世界への新しい扉が開かれ、より親しみを持っていただけたら幸いです。

※この講座は、演奏だけではなく、毎回違うテーマに沿って様々なお話を入れながら進みますので、通常の演奏会とは異なります。

 

 

 

 

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日時:
2014.9.7   (日)  15:00-17:00
2014.9.21 (日)  15:00-17:00
2014.9.24 (水)  19:00-21:00
※各日、同じ内容です

参加費:3500円

お申し込み:

9.7(日) コチラ
9.21(日)コチラ
9.24(水)コチラ

場所:Studio Trianon
〒113-0034 文京区湯島2-14-3
(最寄駅:JR御茶ノ水、湯島駅、末広町駅、本郷三丁目)

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演奏曲目:

J.S.バッハ / 二声のインベンションより(抜粋)
J.S.バッハ / 無伴奏チェロ組曲第1番より(抜粋)
J.S.バッハ / 無伴奏ヴァイオリン組曲パルティータ第3番より(抜粋)
ロンベルク / ヴァイオリンとチェロのためのモーツァルトの3つのテーマ第1番
ラヴェル / ヴァイオリンとチェロのためのソナタ(抜粋)
ロッラ / 2つのヴァイオリンとチェロのための二重奏曲 第1番
モーツァルト / ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲ト長調K.423 (編曲版)

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これまで、ヴァイオリン二重奏や、ヴァイオリンとヴィオラの
アンサンブルなどをお届けしてまいりましたが、
今回の「音語り」は、もうひと回り大きい楽器、チェロの登場です!
アンサンブルの要であるチェロは、
音楽のまさに土台となり、下から音楽を支え、
また、美しく甘いメロディーも奏でます。

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ヴァイオリンの華やかさや憂いを、見守りながら、
絶妙にエスコートし歌い上げるチェロの豊かな音色。
その役割も性質も、ヴァイオリンとは異なり、
その関係性は、まるで男女のようでもあります。

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今回の音語りでは、バッハの作品で各楽器のソロからスタートし、
様々な曲を通し、その二つの音色がどのように重なり、遊び、
語らうのかを、楽しんでいただけたらと思います。

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ドイツの作曲家バッハの数学的な端正な世界、
イタリアの作曲家ロッラの情熱的なオペラの世界、
フランスの作曲家ラヴェルの魔法のような世界…
たった二本の楽器でも、溢れ出る音の世界は
広く豊かで、どれもとても魅力的です。

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また、チェロの設計と演奏にいくつかの革新を
もたらしたことで知られるロンベルクもとりあげ、
チェロという楽器の可能性がどのように広げられたか、
西洋音楽の大きな流れのなかで、チェロという楽器が、
どのような役割を担ってきたのかを、語っていただきます。

後半は、前回の音語りで取り上げました、モーツァルトの
ヴァイオリンとヴィオラの二重奏(編曲版)をお届けいたします。

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モーツァルトは希有の天才で、あらゆるジャンルで数々の名曲を残しましたが、モーツァルト自身が最も書きたかったものはオペラだと言えるのではないでしょうか。例えば、チャイコフスキーを知るなら、バレエをオススメするのと似ていて、モーツァルトを知るならば、オペラ!そこには、美しい世界だけではなく、人間の欲望やだまし合い、冗談や悲しみなど、様々なドラマが描かれています。シェイクスピアの「マクベス」の冒頭に、”Fair is foul, and foul is fair” (きれいはきたない、きたないはきれい)という台詞がありますが、モーツァルトの描いている世界にも、美しさと汚さ、善と悪、ほんとうとうそなど、様々な感情と矛盾が絶妙に同居しています。

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そんな訳で、モーツァルトの音楽を演奏していると、人間のドラマや語りを感じることが多いのですが、今回とりあげるヴァイオリンとヴィオラの二重奏も、本当に二人の人間が会話をしているようで、活き活きとした表情に満ちています。うんうんと熱心に相手の話を聞いているかと思ったら、突然「ところで!」と話題を変更したり、おべっかを言ってみたり、少しそっけなかったり。そんな面白さを、楽譜を少し紹介しながら、楽しんでいただけたらと思います。

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本郷幸子(ヴァイオリン)

東京藝術大学、ドイツ国立トロッシンゲン音楽大学を卒業。ドイツヘッセン州立ヴィースバーデン歌劇場オーケストラにて、3年半研鑽を積む。これまでに札幌 Pacific Music Festital(PMF)、ドイツ シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭、フランスナント市 ラ・フォル・ジュルネ音楽祭などに参加。現在は、上野学園大学ヴァイオリン科非常勤講師として後進の指導をしながら、指揮者の山田和樹率いる横浜シンフォニエッタなどのアンサンブルを始め、幅広く演奏活動をしている。4スタンス身体理論を廣戸聡一氏に師事。NOTH.JPでは、講座「音語り」を開催し、好評を博している。

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懸田 貴嗣(チェロ)

東京芸術大学大学院修了後、ミラノ市立音楽院に学ぶ。チェロをガエタノ・ナジッロ、鈴木秀美の各氏に師事。伊ボンポルティ国際古楽コンクールで第1位受賞。ラ・ヴェネシアーナ、リクレアツィオン・ダルカディアのメンバーとして、国内・欧州各地の主要な音楽祭での演奏や録音活動を行っている。エンリコ・オノフリ、ロベルタ・マメリ等著名な演奏家との共演も数多い。CD「ランゼッティ/チェロ・ソナタ集」が文化庁芸術祭優秀賞を受賞。

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