藝術との対話

NOTHでの講座も2年目を迎えた
原木万紀子講師の「藝術との対話」。
これまでは、主に美術と科学のあいだのお話を
独自の視点と斬新な切り口で語られてきましたが、
今回は初めて医学と芸術のあいだの物語!

どんなお話しになるでしょうか!

日時:2014.2.8(土) 13:30-15:30
(※会場の都合で、開始時刻が30分遅くなりました。)

場所:東京大学医学部教育研究棟13階 1303 第5セミナー室(本郷キャンパス)<

http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_02_09_j.html

参加費:1500円
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「層状のNarrative
       〜ものがたりとしての病と芸術〜」
例えば、誰かと同じ経験を有していることで、何だか親近感を覚えたことはないでしょうか。
同じ音楽を聴いたことがある、流行の甘味を食べに行ったことがある、富士山に登ったことがある、美術館に行って同じ絵画を観たことがある等々。。。
しかし、もちろんそれらの経験は厳密に“同じ”ではありません。
ある人は悲しい気持ちで、ある人は誰かと一緒に、ある人は何も意識することなく、貴方と同じ経験をしたかもしれません。
経験の背後にある景色や心情はそれぞれに異なり、一時点としてではなくその経験以前の物事と密接な関係を有しています。
観たことある、聴いたことある、食べたことがある。。。
経験は、くくられる言葉が同じでも、人それぞれに積み重なっているものが違うため、語られるものがたりも異なってくるのです。
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医学において病名は、ある疾患を持つ人々をくくるために重要な役割を果たす一方で、彼らの病の背景をも一色旦にくくりかねない可能性を秘めています。もちろん経験と同様、病を持つ人々の背景も1人1人異なり、近年では科学的な根拠(Evidence)を元に治療を行うEvidence-based medicineから、語られるものがたり(Narrative)を重要視するNarrative-based Medicineの重要性が提唱されつつあります。
そして語られるものがたりの重要性は、医学の世界だけではなく、近代以降の芸術においても見て取ることができるのです。
今回の講座では、Narrativeという言葉を通して、医学と芸術における“語られるもの”の重要性を、両分野を交えながら少しずつ探って行きます。
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講師:原木万紀子
1988年東京生まれ
2010年 東京藝術大学大学院 美術研究科 美術解剖学研究室入学
2012年 芸術学修士取得
現在、東京大学医学系研究科 博士課程にて医療コミュニケーション学に従事。
修士在学時に解剖学と美術の知識を生かし同大学附属病院の形成外科・美容外科の医師の下、メディカルイラストの制作を担当。医療や科学分野の情報伝達におけるビジュアルの効果・役割に関心を寄せ、米国で着手され始めた科学分野とArtを融合させ、相互理解と創造性をはぐくむSTEAM(Science, Technology, Engineering, Art, and Mathematics. )活動の実施にむけて研究を進めている。
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画像上から
・Sessions for the Blind at Sunderland Museum (1913), Tyne & Wear Archives & Museums, UK
・France in 2000 year (XXI century) (1901), Jean-Marc Côté and other artists, France
・Vaught’s practical character reader (1902), Vaught, L. A., The Library of Congress, America
・Nude Descending a Staircase, No. 2 (1912), Philadelphia Museum of Art, Paris, France